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けいこさんのブログ

ときどき、料理教室。ときどき、お菓子屋さん。ときどき、ハンドケアと食養指導士。まいにち、わたし。

「わたしのなかのくじら」 晴佐久昌英

ひびのこと。 わたしのこと

 

 

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「わたしのなかのくじら」

 

わたしのなかのくじらは ゆったり大きい

わたしの海の底で ゆうゆうと眠る

わたしの気持ちがどれほど波立っても

わたしのなかのくじらは 穏やかに眠る

足の指を椅子にぶつけて腹が立ったり

愚かな言葉で人とぶつかって頭にきたり 

そんな苛立ちをまわりにぶつけて心乱れたり

それでも くじらは静かに目を閉じたまま

わたしのなかのくじらは気高く美しい

わたしのように闇の底で月のように発光する

わたしのいちにちがこんなにもけがれているのに

わたしのなかのくじらは神々しく輝く

病室で痛みと闘い死を恐れる夜

病室で絶望と闘い失った人を思う夜

牢獄で後悔と闘い許されぬ刑罰を待つ夜

それでもくじらは堂々と眠ったまま

わたしのなかのくじらはある日 目を開く

わたしの寿命がつきてわたしが倒れ

わたしがわたしの海に帰るとき

わたしのなかのくじらはゆうゆうと泳ぎだす

 

【晴佐久昌英・著 「だいじょうぶだよ」より。】

 

 

「くじらのようにいきよう」

そう思った朝、この詩に出逢いました。

 

私は、産まれた場所に還るときまで、

静かに、静かに、穏やかに、在りたい。

ただそれだけを想っています。

 

ありがとうございます。