自分で飛び立つのを待つ。
きりんは、生き物が大好きです。特に、虫たち。
一昨日、大きなカナブンを捕まえ、
帰宅時に虫籠から逃がそうとしていました。
その日、知人と夕食を一緒に食べる約束があり、
急いでいた私は、
「早く逃がして帰ろう、」と声をかけそうになりましたが、
ちょっと離れたところから見ていると、
きりんは、掌にカナブンを乗せてじっとしています。
「そろそろ帰るよ~」というと、
「ちょっと待って~カナブンが自分で飛び立つのを待ってるから!
今、少しづつ、羽根を広げて、飛ぶ準備してるから!」
と掌の上のカナブンをじーっと見つめています。
自分で飛び立つのを待つ。
逃がすのでも、飛ぶように急かすのでもなく。
羽根を広げ準備する時間を見守る。
あぁ、私もそう在りたい。
数分後、
カナブンは、力強く少づつ夜に近づく夕方の空に
飛び立っていきました。