「人を喜ばせたい。」という気持ちは、何処からくるのか?
私にとって、ずーっと考えていても、答えの出ないことのひとつでもあります。
「人を喜ばせたい」という気持ちは、何処からやってくるのだろう?
春のある日、それを感じる出来事がいくつかあったので、
自分の中での忘備録として書いておきたいと思います。
きりんの卒園した幼稚園は、フリースクールとして、卒園した小学生も受け入れてくれているありがたい環境です。
きりんは、3月・4月と、園のスタッフに誕生日の方がいることを知ると、
「プレゼントを作りたい」「びっくりさせたい!」と言いました。
3月産まれのスタッフには、大好きな飛行機の模型らしきものを製作。
4月産まれのスタッフには、バナナとチョコレートが好きだというから、
バナナとチョコレートのケーキを焼きたい、と。
完成図を書いて、イメージして作っていました。
誕生日に、スタッフにプレゼントを渡すと、とても驚いたり、喜んだりしてくれます。
その顔を見て、きりんもとても満足そうな、嬉しそうな顔をしています。
そして、また別の時のこと。
幼稚園の家族デイという毎月家族で参加できる日曜日があり、
4月は、毎年、フキノトウのお味噌汁を作って、いただきます。
しかし、今年は雪解けが遅く、例年よりもフキノトウが少ないと、
いつもお味噌汁を作ってくれているスタッフが心配していました。
その姿をみて、きりんが、
「お父さんが仕事で夕張に行ったら、フキノトウがたくさんあったって言ってたから、
明日取りに行く!スタッフが心配してたから!」と言い出しました。
夫は週に2回、夕張まで仕事に行っています。
札幌から片道2時間から2時間半といったところでしょうか。
朝早く家を出て、帰りも夜になることを説明しましたが、そんなことはおかまいなしで、絶対に行くと言います。
夫は仕事で行くので、きりんの相手をしている時間はないので、
家族総出でフキノトウを摘みに行きました。
冷たい風が吹く曇り空の下、そんなことは気にする様子もなく、
黙々と、大きなビニール袋に3つ、フキノトウを摘むと、
「これで足りるかな?もう心配しないかな?」と私に聞きます。
翌日、スタッフにフキノトウを届けると、それはそれは喜んでくれて、
きりんをギュッと抱きしめてくれました。
そんな出来事を目の当たりにしながら、
そこに、何があるのかな?と考えていました。
誰でもいいから、喜ばせたい。ということとは違う。
不特定多数の人の為に何かしたい、役に立ちたい、ということとも、違う。
まして、そこに、「自分を評価して欲しい」「認めて欲しい」という気持ちが
あるようにも感じられない。
その相手を好きだ、と思う気持ち。
それまで培ってきた、相手との関係性。
そこには、「相手がありのままの自分を受け入れ、認めてくれている」という揺るぎない信頼感がある。
好きだと思う相手を喜ばせたい、驚かせたいという気持ち。
家族以外にも、そう思える相手がいること。
それは、とてもしあわせなことだと思えます。
そして、そのように思えるのは、
幼稚園でスタッフが、今まで、どれほど誠実に寄り添い続けてきてくれたかと
いうことの現れなのではないかと思いました。
これは、簡単にできることではないと思います。
どれだけ、細やかに日々の関係を積み重ねてきてくれているか。
ありがたいという以外にないと思います。
そして、
「信頼する相手に喜んでもらう喜び」を感じることが出来るくらいに、
彼が成長していることに驚き、嬉しく思う春なのでした。
佳き春です。
世の中の「母の日」「父の日」と全く関係ない日に、
素敵なカードをもらいました。(笑)
「ありがとう」と言いたい時に伝える。そんな気持ちって本当に嬉しいな。
感謝も喜びも日々の中にあるんだよね。ありがとう!